仕掛けやアシストフックの自作で迷わない!釣り針の種類と特徴について

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釣りの仕掛けやアシストフックなどの自作を始めようとする際に、悩んでしまうことの1つと言えば「釣り針(フック)」の選定ではないかと思います。釣具店などで材料を集めようとしても、その種類の多さに迷ってしまうのではないでしょうか?

という訳で今回は、仕掛けやアシストフックを自作する上で知っておきたい「釣り針」の基本や種類・特徴についてご紹介していきたいと思います。

釣り針の作りと部位名称

仕掛け作りやアシストフックなどに使われる「釣り針(フック)」は、部位ごとに以下のような名前が付けられています。部位の名称を覚えておくと仕掛けの作り方なども理解しやすく、また様々な釣り針の種類の特徴もつかみやすくなります。

部位名称

チモト

針に結び付けたハリス(糸)がすっぽ抜けないように作られた部分。幅広に打ち延ばされた「タタキ」というものが一般的ですが、ルアーフィッシング用のものの多くは環状になっており、糸を結ぶことはもちろん、スナップやスプリットリングで脱着させることが可能です。環付き(カン付き)の針は、釣り糸に対して振れ幅が大きく針掛かりが悪くなることがあり、また単価が若干高くなりがちですので、仕掛けなどに使われることはあまりありません。

針先

釣り針の先端部分は針先あるいはフックポイントと呼ばれます。釣りを続けていると様々な要因で針先は鈍ってきますが、この事を「フックポイントがあまくなる」と表現することがあります。針先の研磨は大きく「化学研磨」と「機械研磨」の2種類があり、現在の日本製の針の多くは「化学研磨」となっています。ルアーフックには機械研磨の物があり、研ぎ直すことで貫通力を取り戻せることから愛用する人も多くいます。針先が鈍ってきた場合は速やかに交換するか、フックシャープナーなどで研ぐことが、釣果を伸ばす上では非常に重要です。針先をツメの平らな部分に当てて軽くこすった時に、爪に白い線で傷か付くかどうかで交換、研ぎ直しの判断をすると良いでしょう
■化学研磨
針先を特殊な薬品に漬けることで鋭くする研磨方法。針の表面は固いが、内部の金属部分は柔らかい為、フックシャープナーで研ぎ直してもすぐに針先が鈍ってしまいます。針先が鈍った場合は取り合えず研いでおき、釣りが終わった際に交換するのが良いでしょう。
■機械研磨
ヤスリのような物で鋭く研ぎあげる研磨方法。ルアーなどに使われるトレブルフックなどで多く使われている研磨方法です。フックシャープナーで研ぎ直すことで鋭さを取り戻すことができます。

チモトの根元部分から針が曲がり始める部分までを指し、ハリの外側を「背」、内側を「腹」、胴の長さを「胴長(軸長)」と呼び分けます。またルアーフックでは胴の部分を「シャンク」と呼んでいたりもします。針によっては背の部分に1つから2つほどの棘が付いています。この棘は「ケン」と呼ばれ、ゴカイやエビなど針に付けた餌がずれにくくするために設けられています。

腰曲げ・先曲げ

チモトから針先に向かって進んだ際に最初に曲がり始める部分を「腰曲げ」、針先に向かって大きく曲げられた部分を「先曲げ」と呼びます。「腰曲げ」と「先曲げ」の角度によって釣り針の特徴が大きく変わってきます。

カエシ

針先の根元にある、針先とは逆方向に尖った部分を「カエシ」と呼び、刺さった針を抜けにくくするために設けられています。ルアーフィッシングなどで使われる針では、カエシを「バーブ」と呼ぶことが多く、「カエシ」が無いものを「バーブレスフック」と呼びます。また、一般的にカエシは内側に設けられますが、一部の針では外側に設けられている場合があり、このようなものを「アウトバーブ(フック)」と呼びます。バーブレスフックとアウトバーブフックの特徴は以下のようなものと覚えておくと良いでしょう。
■バーブレスフック
カエシが無いため針が抜けやすい。キャッチアンドリリースをする場合は魚へのダメージを低くすることができるため管理つり場などではバーブレス、あるいはカエシをペンチなどで潰しておくことが必須となっていることがほとんどです。また、カエシが無い分深くまで刺さり、ハリの穴が真円に近いことから口切れによるバラシが起きにくいため、バーブレスが有効な釣りもある。(通常の針だと針穴はしずく型になり、しずくの尖った部分から穴が広がりやすい)
■アウトバーブフック
通常の針に比べカエシによる抜け防止効果の恩恵は低いものの貫通力は高くなります。針穴はしずく型になるものの、負荷のかかる場所がしずく方の尖った場所とは反対になる為、針穴が広がりにくく、口切れなどで魚がばれてしまう事が少なく魚へのダメージも通常の針よりは低く抑えやすいという特徴もあります。生産数は非常に少なく単価は高めとなっています。

フトコロ

針先と胴との間の幅、あるいは、腰曲げと先曲げの間の幅をフトコロと呼びます。フトコロが広いほど魚の口の中では針掛かりしやすく、フトコロが狭ければ口の小さな魚の口にも入りやすくなります。

釣り針の種類と特徴


釣り針にはさまざまな種類があり、地域的な物まで含めればその種類は膨大です。ただ「5種類の基本的な針」について覚えておけば、大概の針の特徴を理解することができ、釣り針を選ぶ際の基準とすることができます。

伊勢尼(いせあま)


「伊勢尼針」は釣り針の中で最も基本的な形状をしている針です。海釣りで良く使用されるチヌ針もこの伊勢尼を細軸にしたバリエーションの1つとも言われています。フトコロの広さによる針の掛かりの良さと太い軸による耐久性の高さを兼備しています。様々なターゲットに釣りに使える汎用性の高さが特徴で、海釣りの仕掛けはもちろん、コイ釣りの「吸い込み仕掛け」でも良く見かけることがあります。
主なターゲット
淡水:コイ、フナ、ウグイなど
海水:マダイ、チヌ、グレ、青物など

袖(そで)


軸が細く長い「袖針」は、魚の吸い込みを重視した針で、小型の魚をターゲットにした釣りに多用される針です。淡水の小型のターゲット用の針としてはスタンダード的な物ですが、海のサビキ仕掛けやチョイ投げ仕掛けなどでも良く目にすることができます。小さなターゲット向きの針であるため、あまり大きなサイズの物はありません。軸が長いので、軸を持って針を外しやすいといった特徴があります。
主なターゲット
淡水:マス、ヤマベ、ワカサギなど
海水:小アジ、サヨリ、ハゼなど

丸セイゴ


伊勢尼に比べフトコロを狭くすることで、魚の吸い込みの良さと針掛かりの良さを両立しているのが「丸セイゴ針」。主に中型から大型の魚をターゲットにした釣りに向いており、海釣りにおける幅広いターゲットに使用できる汎用性の高さが特徴ですが、淡水ではあまり使われることはありません。メタルジグのアシストフックにも良く使われています。
主なターゲット
淡水:コイなど
海水:スズキ、イサキ、アイナメ、カサゴなど

キツネ(流線)


袖バリと丸セイゴのが融合したようなシルエットと極細の軸が特徴の「キツネ針」は、砂浜での投げ釣りやワカサギ釣りに多用される針です。キスやカレイといったゴカイ類を捕食するターゲットの小さな口でも吸いこみやすい形状となっており、主に小型のターゲットにむいているため、あまり大きなサイズはありません。
主なターゲット
淡水:ワカサギ、タナゴ、クチボソなど
海水: キス、カレイ、メゴチ、アナゴ、ベラなど

ムツ


「ネムリ」と言われる針先が内側を向いた独特の形状が特徴の「ムツ針」は、エサを丸のみするようなターゲットに有効。深場の釣りなどでアタリが分かりにくくエサを飲まれてしまう釣りでは、ハリスが魚の歯に当たり切られてしまうことがありますが、ムツ針はネムリのおかげでアワセをしても喉で針掛かりすることなく、口の中に戻ってきてから針掛かりしてくれます。
主なターゲット
淡水:あまり使われません。
海水: キンメダイ、ムツ、オニカサゴ、沖メバルなど

ネムリとヒネリ

ネムリ

「ネムリが入っている」などと言われる針は、針先が内側に向いている物を指します。一番代表的な物ではムツ針ですが、ルアー用のものでもネムリが入っているものがあったりします。針が飲まれてもアワセによりく口元まで戻ってくる、一度フッキングするとバレ難い、根掛かりし難いという特性がありますが、瞬間的に合わせるような釣りではすっぽ抜けし易いという欠点もあります。

ヒネリ


針先が軸に対してやや斜めになるよう捻ってあるものをヒネリと言います。魚が針を横に咥えた場合でも、針が抜けにくい上顎あるいは下顎に刺さるようにしてあります。様々な針でヒネリが加えられたタイプが存在していますので、針を購入する時にはパッケージをよく見ておきましょう。針先がアワセの方向と異なる向きとなっている為、針先にアワセの力が伝わる際に損失が発生し、通常の針よりも貫通力がほんの少しだけ低下します。

その他の針

ルアーフィッシングに使われている針には基本の5種類とは別の物があります。ルアーフィッシングでよく見かけるフックには以下のような物があります。

オフセットフック


主にワームを使う時に使用するフック。針先をワームの表面に隠すようにセットすることで根掛かりを低減させることができます。

トレブルフック


プラグなどのルアーや小型のメタルジグに装着されているフック。3つの針先があることでフッキング率が高まる半面、根掛かりのリスクは高いフックと言えます。

ダブルフック


トレブルフックの根掛かりリスクを低減させるため針先を2つにしたタイプ。水面近くの障害物周辺を攻めるルアーなどに装備するのが一般的です。

釣り針で広がる釣りの世界

完成品の仕掛けセットやアシストフックを使用していく上では、釣り針に詳しくなくても釣りは楽しむことができます。ただ、針の特徴を知っておけば、より自分のフィールドや狙うターゲットに合った仕掛けやアシストフックを選ぶことができるようになり、また、自作などにチャレンジする際にも参考となる情報を単純に模倣するだけでなく、自分流のスタイルなんかも編み出していけるため、釣りをより深く広く楽しめるようになることは間違いないでしょう。






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