クーラーボックスの上手な選び方と保冷力を維持する工夫

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いつもレモン120個分の釣り行きたい衝動に駆られているダイビング捻挫です。こんにちは。
釣りやキャンプ、バーベキューといったアウトドアレジャーにおいて重要なアイテムの一つ「クーラーボックス」。断熱の仕組や扱い方を知っておくだけでより良い製品に出会うことができ、より質の高い野外活動を楽しむことが出来るようになります。
というわけで、今回は釣具メーカーの製品を例にしてクーラーボックスの選び方や保冷力を保つ工夫についてご紹介いたします。

釣具メーカーのクーラーボックス

クーラーボックスは、様々なメーカーから発売されています。そんな中でも釣具メーカー「Daiwa(ダイワ)」と「SHIMANO(シマノ)」の2社から発売されているクーラーボックスは、供に「魚の鮮度を保つ」という命題をもって切磋琢磨し進化してきており、保冷力は高い評価を得ています。また、ラインナップも他のジャンルのメーカーよりも非常に充実しているため、用途にピッタリの製品を見つける事ができます。

クーラーボックスの断熱材について

クーラーボックスの保冷力を大きく左右するのが「断熱材」。クーラーボックスに使用されている断熱材には以下のものがあります。

ポリスチレン(スチロール)

ポリスチレン粒子(ビーズ)を微細な炭酸ガスの気泡で発泡させた素材。一般には発泡スチロールと呼ばれています。他の断熱材に比べ非常に軽く、コストパフォーマンスに優れたクーラーボックスに採用されています。

発泡ウレタン

ポリウレタンを発泡させた素材。素材自体の断熱性は、ポリスチレンの約1.5倍ほどといわれています。クーラーボックスの断熱層に隙間なく充填することができ、更なる断熱性を発揮するため多くのクーラーボックスに採用されています。

真空パネル

多孔質性の素材を金属のフィルムで真空パックして作られる断熱材。その断熱性はポリスチレンの約10倍にもなると言われています。非常に高い保冷力を発揮する真空パネルは、ミドルクラスからハイエンドクラスのクーラーボックスに採用されています。

ダイワとシマノの保冷力基準

クーラーボックスの保冷力をより分かりやすく評価出来るよう、ダイワとシマノでは、それぞれ独自の指標となる基準(単位)を設定しています。単位が異なるためそれぞれの基準を単純に比べることはできませんが、必要なクーラーボックスを選ぶ際には非常に参考になります。

ダイワの保冷力指標『KEEP』

ダイワがクーラーボックスの保冷力を表すために用いる指標が『KEEP』。日本工業規格(JIS規格)で定められている簡便法に基づいて氷の残存率を算出し、更に氷が溶けきるまでの時間を「KEEP○○」という値で表現しています。具体的にいうと、外気40℃の恒温室内において、クーラーボックス本体容量の25%に相当する角氷が溶けきるまでの時間を現しており、例えばKEEP80の表記となっているものは、80時間氷が残存する保冷力ということになります。

出典:ダイワ

シマノの保冷力基準『I-CE(アイス)』

シマノがクーラーボックスの保冷力を表現するために定めた基準『I-CE(アイス)』。クーラーボックの本体容量の20%にあたる氷を、外気31度の状況下で1時間保持できる単位を『1h』としています。つまり『I-CE 70h』という表記のあるモデルであれば、本体容量の20%の氷を70時間キープできる保冷力がある目安となります。

出典:シマノ

保冷力を維持するための注意と工夫

ダイワとシマノの両社とも、前提条件は異なるものの氷を保持できる時間を基準としています。この時間は恒常的な環境での目安であり、かつ「蓋の開閉をしない」状態での値であるため、実際に使用する場合は大きく異なることがあります。特に真夏など外気温の高い季節は氷の持ちは大幅に短くなってしまうでしょう。ただし、実際の使用においてもちょっとした注意や工夫をするだけでクーラーボックスの保冷力を高めることができます。

予備冷却をしておく

部屋や物置に保管していたクーラーボックスは、室温に近い状態になっています。使用する当日に氷を入れると、クーラーボックスの中が冷えるまでに氷も多少溶けてしまいます。使用する前日の夜に、当日使用しない保冷剤などを入れて「予備冷却」をしておくだけでも、氷の持ちが大きく違ってきます。

長持ちするのは板氷

氷は表面積が少ないほど溶けにくくなります。長持ちするのはクラッシュアイスよりも板氷。逆に言えば飲み物などクーラーボックスの中に入れたものを急速に満遍なく冷やす際にはクラッシュアイスの方が良かったりもしますので、用途に応じて氷の形状を選んでみましょう。

中に入れるものは積み重ねない

最も大切なことです。蓋の開放による冷気の放出が氷を溶かしてしまう一番の原因となります。中に入れる物は積み重ねるように入れてしまうと、奥の物を取ろうとする時に蓋の開放時間が長くなり、ものを探しているうちに外気が大量に流れ込み冷気を放出してしまうことに繋がります。中に入れるものは、本棚の本のように、なるべく立てて整列させることで取り出しやすくなり、蓋の開放時間の短縮と冷気の放出を最小限にすることにつながります。

直射日光を当てない

外気の温度がそれほど高くなくても、日光を直接当てるとクーラーボックスの外壁の温度が上昇してしまいます。クーラーボックスはなるべく直射日光の当たらない環境に置くように気を遣いましょう。船の上など、どうしても直射日光を防げない場合でも、タオルを一枚かけておくだけで外壁の温度上昇を大幅に防ぐことができます。そもそも、クーラーボックスの中の物は大抵濡れている為、タオルが常にある状態は非常に都合がよかったりします。濡れタオルであれば効果はかなり高くなりますよ。

スノコを敷く

クーラーボックスの中の氷は遅かれ早かれ解けて水になります。水は空気に比べ熱伝導率が圧倒的に高く、氷が水に浸かっていると溶解はより早く進行します。そこで、クーラーボックスの底にスノコのようなものを敷き氷を底上げしておくと、水に浸かることを遅らせる、あるいは水に浸かる表面積を小さくできるため、より氷を長持ちさせることに繋がります。クーラーボックス専用のスノコはもちろん、ベランダや玄関に敷くような人工芝マットでも効果を得ることができます。だたし水を入れたペットボトルで作った氷の場合は効果が若干低くなります。(溶けた水が常に氷を覆うので)

クーラーボックスを選ぶ基準

クーラーボックスは、当然保冷力の高い物であることに越したことはありません。クーラーボックスの値段は大きさと保冷力に比例して高くなりますが、用途によっては手ごろな値段の物でも十分ということもあるので、メインの使用用途を考え上手に選んでいきたいところです。

半日釣行やバーべキュー

半日の釣行やバーべキューなどでは、必要な時間だけ氷が残っていれば良いわけです。その為、「ポリスチレン(スチロール)」素材のリーズナブルなモデルでも、保冷力を維持するための注意点に気を配ったり、ちょっとした工夫をしていれば十分に活躍してくれます。

一日釣行

一日を通して保冷効果を維持したい場合は、断熱材に「発泡ウレタン」を使用している物を選びたいところです。予算に余裕があれば1~3面に「真空パネル」が採用されている物を選びたいのですが、ウレタンのみでも使用方法に気を配れば十分対応可能です。

キャンプや遠征釣行

キャンプや遠征釣行などでは、是非とも「真空パネル」を採用しているモデルを選びたいところです。6面に採用されているものがベストですが、3面の物でも保冷力を維持するための注意点や工夫をしていれば十分に活躍してくれます。スペースに余裕があるのであれば、大きいものを一つ用意するより、サイズを下げて2つ用意し、使用頻度の高低に分けて物を入れる方が保冷維持には良いでしょう。

魚を入れるのであれば蓋が外せるものを

魚など臭いが残るものを入れる場合には、蓋が外せるタイプが洗いやすくおすすめです。洗浄する際は固いスポンジなどで擦ると内壁の表面に細かい傷が付き、雑菌の繁殖に繋がるの注意しましょう。釣りで魚を入れた後などは、台所用の漂白剤を水で7倍前後に薄め内壁に満遍なく吹き付け、3分程度待った後に良く水洗いすると臭いがほとんど残りません。

おすすめクーラーボックス

数あるクーラーボックスの中でもおすすめのモデルをいくつかご紹介いたします。用途や予算に合わせて選んでみてください。

ダイワ

プロバイザーZSS 2100X
ダイワの高性能クーラーシリーズ「プロバイザー」の中でも、品番に「ZSS/VSS」が付くものは6面真空パネル+発泡ウレタンを採用したハイエンドモデル。「ZSS 2100X」は使い勝手の良い21リットルサイズで保冷力「KEEP80」を誇ります。6面真空パネルの保冷力は本当に高いのでキャンプでも冷蔵庫の役目をしっかり果してくれます。

クールラインα II SU 1500
価格と性能のバランスが非常に良い「クールラインα II」。手ごろな値段で必要十分の能力を発揮してくれます。品番に「SU」が付くものは底1面真空パネル+発泡ウレタンを採用しており、保冷力は「KEEP45」。「SU 1500」は板氷一枚と500ミリリットルPETボトル6本を入れることができ、気軽に使えて邪魔にもなりません。

 シークールキャリー II GU 2500
一泊キャンプや、やや大型の魚も曲がらずに入れることができる容量25リットル。キャスター付きの為、他の荷物をスタックさせれば駐車場からの移動も楽々。カートの様に邪魔にならないのも嬉しいところです。 「シークールキャリー II GU2500」は発砲ウレタンを採用し「KEEP65」の保冷力を誇ります。

クールラインα II S 1000X
アジングやメバリング、ワカサギとした小型の魚を狙った日帰り釣行や、ちょっとしたお出かけにピッタリの10リットルサイズ。クールラインα II S 1000Xはスチロールの断熱材で非常に軽量。実売価格も8,000円を下回り、「KEEP25」の保冷力は必要十分です。

シマノ

フィクセル ウルトラプレミアム 300
通常よりも厚みのあるの真空パネルと発泡ウレタンを6面(蓋面は通常厚の真空パネル)の断熱材に採用した「ウルトラプレミアム」。これまでの最上位だったプレミアムシリーズを上回る保冷力を誇るハイエンドシリーズとなります。「フィクセル・ウルトラプレミアム 300」は、板氷1枚と500ミリリットルPETボトル24本を入れることができ、保冷力は断トツの「I-CE 110h」となっています。

フィクセル リミテッド 170
汎用性が非常に高いミドルサイズの「フィクセル リミテッド 170」。3面をカバーする一体型の真空パネル+発泡ウレタンの断熱効果は高く保冷力は「I-CE 50h」。板氷一枚と500ミリリットルPETボトル11本を入れることができるスペースはやや大型の魚にも対応でき、またバーベキューなどのアウトドアレジャーでも抜群に活躍してくれます。

フィクセル ライト II 220
価格と性能のバランスが高い次元で取れている「フィクセル ライト」シリーズ。発泡ポリスチレンを断熱材に使用し、容量に対して軽量さが特徴。板氷一枚と500ミリリットルPETボトル13本を入れることができる22リットルの容量を持ち、保冷力は「I-CE 35h」。乗合の半日船での釣行や、バーベキューなどで必要十分の機能を有しつつ手ごろな値段が魅力です。

フィクセル・ライト 90
ちょっとしたお出かけなどにも積極的に使っていけるコンパクトサイズクーラーボックス。発泡ポリスチレンを断熱材に使用し、「I-CE 23h」。9リットルの容量で500ミリリットルPETボトル8本が入るため、飲み物はあらかじめキンキンに冷やしておけば保冷バッグとは比較にならないほど長時間冷たい飲み物を楽しめます。アジングやメバリング、ワカサギ釣りなどにも向いています。

保冷剤

ロゴス 氷点下パック
クーラーボックスではありませんが、多くの釣り人やキャンパーから高い評価を受けている保冷剤「ロゴス 氷点下パック」は、クーラーボックスとセットで持っておきたいアイテム。非常に優れた保冷持続力を持っており、予備冷却からメインの冷却材として非常に頼りになります。2~3個あると非常に便利。発熱時の氷枕代わりになって助けられたこともあります(笑)

▼ロゴス 氷点下パックは夏の寝苦しい車中泊などにも大活躍します

クーラーボックスを上手に選んでアウトドアを楽しもう

必要な「仕事」をしっかりとしてくれるクーラーボックスがあるだけで、釣りもキャンプもバーベキューも格段に楽しく感じることができるものです。お気に入りのクーラーボックスを上手に使った野外活動を是非楽しんでみてくださいね!






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